私の釣りの師匠であり、カリスマルアービルダー マロ南氏が先日他界されました。69歳だそうです。
私より10歳上、いつでもカッコいい憧れのフィッシャーでした。
出会いは、町田の吉川百貨店の釣り具売り場の店員さんとしてでした。暇な時間に行くと、フライタイイングを目の前で見せてくれ、それを手渡してくれました。私はそれを持ち帰り、何度も眺めては触りまくってました。
何年か経って、村野さん、石井さんというお友達と一緒にキングフィッシャーという当時珍しかったルアー&フライのプロショップを町田にオープンされ、もちろん私は通いました。店の奥にテーブルがあり、そこでタイイングをしたりしておられました。
キングフィッシャーには当時ブームになりつつあった、ハンドメイドルアーの作り手も集まっており、私はよだれを垂らしながら眺めていたものでした。
そうこうするうちに南さんもルアーを作り出し、そのクオリティーは素晴らしいものでした。
その後、南さんは独立され、ハンドメイドミノー”マロ”を世に出し、生業とされました。
南さんとの約束で、希望の大学に合格したらマロを1本もらえることになり、其の約束は果たされました。今でも宝物です。
大学の途中で私は町田を離れ、南さんとの交流もなくなり、大学を出て、高知に就職したころ、南さんが体調を崩された、出身地の北海道に移られたと聞きました。どちらが先だったのか記憶に定かではありません。
北海道に移られてからは弟子屈でフライを中心としたショップを開かれたと年賀状が来ました。それから年賀状のやり取りだけは続けていました。
何年か後、家族旅行で北海道に行ったときに無理を言って弟子屈に宿を取り、感動の再会を果たしました。以前と変わらぬカッコよさで、家族もいるのについつい話し込んでしまいました。翌早朝、南さんに教えてもらった川でイワナも釣ることができました。
またまた何年か経ち、南さんがマロの制作を再開されたとのこと、早速連絡を取り、当時買えなかった珠玉のルアーを購入しました。届いたルアーをさっそく使い、釣果を報告したらとても喜んでくれました。
そんな感じで、年賀状のやり取りは続けてはおりましたが、先日SNSで亡くなられたことを知り、愕然としたものです。そしてマロルアーのHPにもそのことが掲載され、昨日、奥様からお便りもいただきました。
勝手に師匠と思い、いつも憧れの人だった人が他界してしまったこと、しかも、まだまだ活躍してくれるはずの若さで。何とも悲しくやりきれない気持ちでいっぱいです。南さんのご冥福をお祈りいたします。