初めて釣ったバスらしいバス

ファーストバスを手にしてからも、バスという魚はそんなにたくさん釣れるモノではなかった。当時というか、年齢もそうだし、タックルや生態面での研究等が不十分なこともあり、難しいターゲットだった。
当時の雑誌には、「プラスティックワームというのが出だした。水槽で観察した結果、バスはワームの尻尾からくわえ、徐々に飲み込む。だからアタリがあったら10秒は待ってから合わせる。」なんて記述があった。だからワームを買って、当時はテキサスリグしか方法がなくて、それを持って河口湖でキャストしたら、何投目かにアタリがあって、一生懸命に10カウントしているウチにバスが離しちゃう。もちろんその間リールのクラッチは切って走りたいがままにさせておいたのだが・・・それが何度もあり、やけくそでアタリがあって一呼吸で合わせたら、ガッツリヒットなんて事があった。その魚はバラしてしまったけれど、イイサイズだった。
そんな試行錯誤を繰り返しているなか、ある日津久井湖にボートを出した。ボートを出すのに2500円だった。当時の中学生には痛い出費。2500円あればプラグ2個以上買える。でも雑誌には「バスはボートからの方が断然有利。」と書いてあったので、思い切って乗ってみた。
北根小屋でバスを降りるとすぐそこに矢口釣具店と中村釣具店があった。その時は近い方の中村釣具店に行き、ボートの手続きをした。急な崖を降り、初めてボートに乗った。もちろん手漕ぎ。津久井湖右岸から漕ぎ出し、まずは三井大橋を目指した。

三井大橋といえば、津久井湖で大物スポットとして当時有名で、知り合いも47センチを釣ったとか。47センチといえば、当時超大物で、今のロクマルくらいの感じだったわけで、季節も関係なくそこにまずは向かった。三井大橋の橋脚を一通り釣り、何もなく、そこから下流に向けて進んだ。途中、給水塔の立ち入り禁止ブイがあり、そこを流しながら、下流のワンドに入った。ココは沢が2本流れ込んでおり、沢に挟まれた部分は馬の背になっている。減水時に見ると、馬の背の先端が山になっており、あとで見て、「これは釣れるわ!」と納得のいく地形であった。しかも山の頂上付近には細い立木が生えており、もうサイコーのロケーション。その時はそんな地形を知るよしもなく、山の頂上は水深3mほどだったはず。馬の背の延長上にボートポジションを取り、ルアーはクリームのワーム。カラーはまんまミミズ。

Product_2

ワームという言葉の通り、当時ワームはミミズのイミテーションと皆が考えていた。スライダーワームが有名になるずっと前の話。リグはテキサス、7グラムのシンカー。第1投。うまく岸際に落ち、ズルズルと引いてきた。ちょうど山にさしかかったあたりで、グッと強いアタリが来た。少し待って、ガッツリ合わせると、今までにないような強い引きが来た。それでも強引に寄せた。魚が見えた。それまで生では見たことのないような大きいバスだった。(とはいえ35クラス)震えながら、下顎掴みに入った。親指が触れた瞬間、バスは首を振ってもがいた。「素直につかませてくれる訳じゃないんだ」そう思った。もう一度、今度は気合いを入れてつかんだ。はが少し親指に食い込む感じもしたが、グッとそのまま力を入れ抜き上げた。

大きい!こんな時に限ってメジャーを持っていない。それでもフェンウイック・バッシングスピン952のグリップより長かった。キープしたい気持ちもあったが、リリース。

次の1投、また当たった。今度は少し小さいが、それでも30弱。自分史上2番目に大きいバスだ。

その後アタリは止まり、その日はそれで終了。デモでも、初めて“バス”と言えるような大きさのバスを釣った。もう嬉しくて嬉しくて。写真さえないが、今でもはっきり記憶に残っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です