月別アーカイブ: 2016年1月

バジンクランクの思いで

Mrモンロー

 並木さんのブランドOSP発売第1弾のプラグはバジンクランク
水面を泳ぐクランクベイト。
自分は友達から”馬陣魔神”とのあだ名もいただくほど気に入って使いまくってますが、これにはいくつかワケもあります。

 その1 トップが好き! やはり水面に出るバスを釣るのが面白い。しかも、レンジとかメンドクサイことを考える必要がない。

数あるトッププラグの中で、ただ巻いてくるだけで広範囲をス

ピィーディーに探れるのがバジンクランク。

その2 メンドイのが嫌い 上にも書きましたが、面倒くさいことを考えずに集中できる。

その3 釣れる      釣れるから使うのか、使うから釣れるのか・・・両方だと思うのですが、とにかくよく釣れる。バス・ライギョ・ナマズ、そしてチヌ。

その4 プチ自慢  これが今回の本題

ある秋、浦戸湾でルアーを引いていたら、水面を走るラインの波紋に盛んにエバ(メッキ)がチェイス&ストライク。明らかに水面の波紋に反応している。そこでピンと来た。水面を波を残しながら泳ぐプラグがあれば!今でいう、ウエイクベイトの考え方ですね。
その頃はハンドメイドルアーをわりとマジに作っていた。そしてその頃凝っていたクランクベイトにこのピンを取り入れてみることにした。何度か試作するものの、やはり少し潜ってしまい、どうしたものかと考え、背中にヒレを付け、それが水面に出るのではと考えて作成した。これをいくつか作り、友人に配って回って試してもらった。結果はイイ感じで、各地で多くのバスを誘った。そのうち1人から、「腰をフリフリするけど男らしい」とMr.モンローのご芳名をいただいた。かなり作ったつもりが今手元のあるのは2個。それもリップがとれてしまっている。

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Mrモンロー

 

ちょうどその頃、BASSでマンズワンマイナスがウイニングルアーになったと聞いた。そしてちょっとして、OSPから最初の製品としてバジンクランクがリリースされた。速攻買いに走ったが、その頃OSP製品はレアもので、なかなか手に入らなかった。それでも何とか手に入れ、使ってみた。もちろん拘り方から考え方が数十段上なので、自分のモンローより潜らない、よく動く、丈夫とすばらしかった。しかし、潜らず水面に波紋を残しながら動くというコンセプトは一緒だったと自画自賛した。

こんな理由で大好きで使い続けていると、色々引き出しが増えてくるモノです。

普通に引くと水面あるいは水面直下を来るバジンクランクですが、ラインをフロロにすると、それよりも少し深いところを引ける。これは水面に出きらないときに有効。もう少し深く潜ってほしいときは、バンディットフットルースストームサブワートを使う。このように泳層を微妙に調整することで、ストレス無く、水面と藻面の間を引いてくることができる。

先ほど面倒くさくないと書いたモノの、こんなことをやるとなると面倒くさいのかな?ただ、面倒くさいとは感じず、面白いと思いながらやっているので、それでイイ。

バジンクランクにはラトルを高音にしたヘビーヒッターというモデルもある。これは、リアクションバイトをより誘発したいときや、水が濁ったときに有効で使っているが、実はライギョキラーだったりする。なぜだかライギョはこれが頭上を通ると黙っていられないらしい。もの凄い勢いで出る。しかしライギョが食うと、バスタックルの時にはラインブレイクになったり、針を曲げられたり折られたりと、お互いダメージが大きくなる。なので、ライギョのいる水域では、ヘビータックルで使うようにしている。

 

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上に少し書きましたが、水面系クランクベイトの使い分けを・・・まず、完全に水面でやりたいときはウッドリームノーネイムサーフェス。ラトル音はないが、完全水面で、ある意味ジッターバグのような感じ。その次がバジンクランク。ほんの少し潜ったりもする。デカイ水域ではダイバジン。その次に潜ってほしいときはフットルース→サブワート。ときて、ワンマイナス。ただ、ワンマイナスは少しでも藻や何かが付いてしまうと動きが極端に落ちるので、あまり使わない。

これもまたプチ自慢になりますが・・・

バジンクランクはチヌにも有効なんです。ここ何年か、夏場はわりとチヌ釣りをするようになってます。その中でも楽しいのはトップチヌ。トップウォーターを引いてくると、1投に何度も何度も反応し、激しいストライクを繰り返す。浦戸湾ではキビレが主な対象となるが、デカイのは50近い。それがトップに出て、掛かったら強い引きが来る。場所さえ掴んでおけば、短時間で結果が出る。など、仕事の行き帰りにエキサイトできる。なのでハマっているワケですが、あるとき、ポッパーやペンシルを投げるのに飽きて、バジンクランクを投げてみると、それにもイイ反応があり釣れた。偶然か?とも思い、別の日、別の場所でやってみても釣れる。こうなると、ペンシルやポッパーのように竿をあおらなくてもイイので、楽ちん楽ちん。ストレートリトリーブで時折ストップを入れてやればバコン!みたいな。もう完全に1軍。メーンルアーになってます。トップに反応のある時期なら、まず投げてみる的な。

 

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で、バジンクランクをはじめとするサーフェスクランクでチヌを釣った人はいるかもしれませんが、自分のように一番に使ってる人ってほとんど居ないのでは?

まだまだカラーやラトルのことを詰めていかなければなりませんが、バジンクランクはチヌにとてもイイのです。と言い切っておきます。

鯉のノーパンフィッシング

前にも書きましたが、毎年初釣りは鯉釣りになってます。(今年はまだですが・・・)
で、釣り方は、ノーパンフィッシングと名付けました。
ノーシンカーで餌がパン。

タックルは普通のバス用スピニング。適当な大きさの針を直接結び、そこに食パンを手で揉み込んだものを付け、ぽいっと放る。揉み込んだパンは空気を含んでいないので、そこそこの速度で沈んでいく。そこにパンを食う鯉やニゴイが居れば吸い込んで、ラインがス~~~ッと動き出すので、スイープに合わせる。こんな感じの釣り方。
普段はバスやシーバス狙いで行く、波介川や仁淀川にはでっかいコイが結構居る。見えれば、その近くに投げればそれなりに釣れる。なかなか食わない場合は、まずはパンをちぎって投げ、チャミング(寄せ餌)をしてからにする。コイがパンを餌と認識したところで、ノーパンリグを入れるとわりと簡単に食ってくる。
一旦針にかかれば、70~90cmとかのコイなので、その引きは重強く、スピニングのバスタックルではなかなか面白いことになる。時にはかなりのスピードで走り、ドラグをジャージャー出される。それもかなり粘り強く、何度もやられる。それをいなして何とか取り込むと、でっかい魚をホールドすることができる。

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本気で狙うと難しい鯉も、サイトのノーパンフィッシングだと、わりとイージーにメーター近い魚を手にすることができると思う。

一度、調子こいて、夏場にもやってみたのですが、これが夏はホントに難しい。餌が豊富なためなのか、人に責められスレているのか、水温が高く、動きやすいからすぐに移動しちゃうためなのか理由はわからないものの、冬のように簡単に釣れる状態ではなかったのを覚えています。

沖のイカ釣り

このことを知る人は少ないのでは?と思い、ここに書きます。

遠洋漁船マグロ漁船に乗り、沖で漁をしているときの楽しみは、漁が終わった後のイカ釣り。
漁をすることを操業と言う。マグロ延縄の操業は朝暗いウチから縄を入れはじめ、縄を取り込み終わるのは深夜。もちろん、縄の長さや、魚のとれ具合によるのですが、普通はそんな感じ。
これもまた船により違いはあるものの、何日かに1日は朝の縄入れをしなくてイイ日がある。そんな日の前夜にやるのが楽しみのイカ釣り。
大洋のど真ん中というと、魚がウジャウジャ居てパラダイスと思っている人もいるかもしれませんが、実は生物相は貧困で、沿岸の比ではない。ホント魚は薄い。釣れたマグロの胃袋の中を見てみても、皆さんが思っているようなサバやアジが入っているなってことは稀。多くは、小さなイワシみたいなのか、エビ類、小イカとかがかろうじて入っているくらい。そんな中貧相な生物相の中でも、したたかにいるのがイカ。沖の漁師が言う、バカイカ、アカイカ、アオリと呼ばれるイカが代表。アオリは沿岸のアオリイカとは違い、ソデイカのこと。そんなイカを狙う。

仕掛けは、昔は手釣りだったが、今ではロッド&リール(シイラやジギングタックル)に、リーダーを付け、その先に水中ライト。その先のまたリーダーを付け、”シュッテ”と呼ばれるイカ針をセットする。餌にはマグロ用のムロアジやサバを使ったり、釣れてきた小さめのイカを使ったりする。餌をシュッテに通し、スナップでリーダーに連結する。それを、50m~200m出しイカのアタリを待つ。水中ライトの色は、青がイイという人もいれば緑がイイ、赤がイイ、全部光るレインボーがイイ、はたまた紫外線がイイという人もいる。自分の経験から言うと、青または紫外線がイイのではと思う。青は、水中で一番遠くまで届く色、つまり広範囲のイカにアピールできるからではないかと考えている。
操業を終えたマグロ漁船は、夜はエンジンを切り、波間に漂わせる。動力を失った船は、波に対して船体を横にし、流される。潮上側に釣り座をとり、糸を出し、イカの泳層を考えながらラインを出していく。漂流中の船は他船から目立つようにたいがい煌煌とライトを付けている。それに小魚が寄り、それを狙ってイカも浮いてくる。時に水面まで出てきて小魚をおそう。それはたいがいバカイカ。アオリはやや浅い層を、アカイカは深い層を泳いでいるようだ。アオリは大きくなると20キロ、アカイカも10キロくらいにまではなる。
イカのアタリは、特にバカイカは、はじめ小さくジワジワと来る。たぶん抱きついて、軽く引っ張っているのだと思う。その時に合わせても乗らないことが多い。しばらくすると、引き込みが大きくなる。そういう時に、バスで言うスイープフッキングを行う。なるべくストロークをとり、グ~~~~っと針を食い込ませるつもりでやる。ちなみにこのとき使うシュッテの針にはカエシが付いている。漁師によると、「デカイのは引き寄せられながら触手で針をのけようとするので、カエシがないとバレる」らしい。
大きなアカイカや、アオリは、一気に持って行くこともある。気を抜いていると竿ごと海に取られる。そして暫くはイカっぽいグッグという引きではなく、ガ~~~~~っと走る。20mも走られることもある。それをやり過ごし、何度かやりとりをすると、船縁まで寄ってくる。デカイイカが船のライトに浮かび上がるとコーフンMAXに達する。
釣り上げたイカは速攻で墨袋を抜く。それをしないとデッキ中を真っ黒にされてしまう。それが終わると、解体し、冷凍し日本に持ち帰る。食べるとおいしく、もの凄い大きさと肉厚なので、初めて見る人の度肝を抜くには最適だ。

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この仕掛けには、時折外道として魚が食ってくる。多くは漁師の言う「ヨガラス」、クロタチカマスや、ヨシキリザメ。サメ類は今、国際条約で捕獲が禁止されているので、デッキに上げることができない。食わせてしまったら、寄せてきてリーダーを切るか、何とか外れてくれることを祈るしかない。うまく外れたとしても、サメの顎力で、堅いステンレス製のシュッテはグニャグニャに曲げられてします。やっかいな存在だが、引きを楽しむと割り切れば楽しい。

最近ではイカ釣りにジグを取り入れている人もいる。一時試してみた。ただ、普通にイカジグとしているジグの想定はスルメイカ等、大きくて2キロまでだろうと思う。針(カンナ)のサイズもそれ用の大きさだ。ただ沖で相手にするのは20キロ、それなりにしないといけない。いろいろとサイトを巡ると、ソデイカをジグで狙っている人もいることがわかった。それは、普通のジグに「タルフック」と呼ばれるタルイカ(ソデイカ)用のフックを装着していた。

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タルフックは調べるともう製造中止になっていて、入手は困難だと言うことがわかった。知り合いの釣具屋さんに問い合わせてもダメとのことであった。ある日、オークションサイトを見ていたら、たまたまタルフックが出ていた。そしてうまく落札できた。落札後のやりとりで、出品者はもう1本持っていることが判り、それも譲ってもらった。タルフックを持って乗船し、ある日使ってみた。200gの夜光のジグに付け、100mほど沈めたら、ラインが急にフケた。慌てて合わせると、グッと乗ってイカの引きが来た。取り込めたのは普通サイズのアカイカ。

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でも第1投のフォールから食ってくるとはなかなか幸先が良い。次の1投、200mほど沈め、大きなストロークでしゃくりながら上げてくると、ガツガツというアタリがあり、合わせると、フッと軽くなった。巻き上げると、ジグが切れていた。たぶんサメに食われたのだろう。しかし、ジグが有効であることは判った。別のジグにタルフックを付け、また投入した。ガツガツとアタリがあり、またブレイク。3投で2個のタルフックが無くなり、釣れたのはイカ1杯だけ。ただ、ジグが思っていた以上に使えることもわかった。その後はタルフックの代わりにルアー用トレブルフックを2個付けたものを使ったりしたが、なかなか乗らないのが続き、ついにはジグを諦めた。それ以降、タルフックには巡り合っていない。

 

思い出した!初めてのシイラ

バス釣りオンリーから海の釣り、シーバスからのアカメに移った頃、アカメの凄い引きに翻弄され、何もできずにバラすことが連発した。たまたま良いタイミングで「シイラやってみんかえ?」と誘われた。シイラ釣りをやってみて、デカイ魚への初期対応を学べたと思う。

裏戸湾内のマリーナを出た船は、一路南へ向かう。目的地は“手結沖”のシイラ漬けだ。沖を回遊するシイラは、何かの物陰によく付く性質がある。シイラ漬けはこれを利用した人工漁礁で、海底に錘を置き、そこからロープを伸ばし、水面には竹を束ねたウキを設置するもので、土佐湾では手結沖と、佐賀沖に多く設置されている。高知港から南へ向かえば、そのまま手結沖の漬けに当たるということになる。もちろんシイラ漬けは、漁師さんが設置したもので、個人が勝手に釣りをしてもイイものではない。今回はちゃんと漁師さんに了承を得たものしかやらなかった。

出港し40分ほどで最初の漬けに付いた。船は漬けから50mほど離して停止した。船長は、「バスのようにギリギリを打たなくても大丈夫。最初なので様子見にポッパーがイイかな?」というので、とりあえず漬けをめがけてシイラ用のポッパーを投げた。着水してすぐにデカ目のポップ音を出し、長めのストロークで引いてくると、すぐに下から青い魚体が数匹浮いてきた。そのまま引き続けると、もっと多くの魚が湧いてきて、もうパニック。そのうち1匹がポッパーを食った!!いきなりもの凄いスピードで持って行かれ、合わせるどころではなかった。やや走られた後、強めに2度ほどアワセをくれた。魚はジャンプをしたりもぐったり、とても楽しいファイトをした。何とかキャッチしたのはメーターを超える雌。リリースしてまたすぐ投げる。しかしもう反応はない。「1回でスレちゃったなぁ」と船長。ルアーをペンシルに換えるとまた少し浮いてきたが途中でUターン。シイラの下に茶色い魚も見えたので、ジグに換えて少し沈めてしゃくるとガッと来た。でも小さくすぐにキャッチ。カンパチの小さいの。ジグへの反応もなくなり、次の漬けに移動。

第2漬け、ここも1投目は反応すこぶる良いものの、キャストする度に反応が落ち、終了。

第3漬け、同様。

第4漬け、ルアーをやや小さめのペンシルに代えると良い反応。でも早引きすると飛び出してしまい、スピードで見切られる感じ。

第5漬け、ルアーはシンキングペンシルのハニートラップに変更。これが当たり、早く引いても飛び出さず、ベイトサイズにもマッチしたようで、今までにない反応と、それが長続き。

そこからしばらくハニートラップで楽しい釣りができ、食った瞬間の対応、ダッシュしたときの対応も勉強になった。シイラは、食って、まず第1弾の引きが弱まったときに取り込むとそれでおしまい。ただ、1回目の取り込みタイミングを外すと、そこからはやたら長いファイトとなる。シイラが怒ったと船長は言うが、まさにそんな感じ。リリース前提なら、怒らせる前の元気なうちに取り込み、リリースするように心がけた方がよい。そのためには、ややオーバー目のタックルがイイ。

ハニートラップではもう十分釣ったので、ヤマトに代えてみる。もちろんフックは大きいもの2本に替えてある。新漬けに着いての第1投、ヤマトは良いところに落ち、ロングジャークで泡をまといながら潜らせると、何匹が付いてきた。またジャークを入れるとそのうち一番デカイのが食った!!イイファイトを堪能してキャッチ。この日一番の雄。まっ黄っ黄になっていた。

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その後何本か追加し、十分楽しめたので、終了。

ホント、トップでやれるので、楽しくてコーフンする。そして上にも書いたが、デカイ魚への対応を学べる。このサイズの魚を1日で何本も相手することなどほとんどないし、何本もとやることで、余裕もでき、実験ぽいことができる。土佐湾にはシイラ漬けがたくさんあるので、漁師さんとうまくやれば身近で大物ファイトが楽しめる良い環境だと思う。(シイラ漁師が出している遊漁船もある)

ハワイのピーコックバス

前にも初ピーコックのことは書きました。
その後、ハワイに行く機会も増え、できる毎にハワイでピーコックバス釣りをやってます。

ピーコックバスの魅力は、まずはアマゾンでないとなかなかお目にかからないのに、ハワイで釣れること。今ではフロリダや台湾にもいるらしいが・・・
トップによく反応すること。でもなかなか乗らなかったり・・・
引きが強いこと。派手なジャンプをすること。
釣り方が色々あること。
そんなところでしょうか。

初めての時から今までに、6度、ガイドをしてもらってます。
様々なことがあり、一番良い時間帯である早朝を狙うことができないハンデもありますが、今までボウズはありません。
いくつか印象的な場面を書きます。
2度目にガイドしてもらったとき、前回がコーヒーでコンディションが良くなかったのと、初めてで何もわからなかったのと、タックルがレンタルだったのをふまえ、自前タックルで臨みました。水はステインでイイ感じ。スロープからしばらく走った広い水域に着くと、ライズが結構ある。それをめがけてスラッゴーを投げるが、あまりヒットしない。仕方がないので、日本で自信のあるポッパーを投げると、ヒット。ガイドも驚きの声を上げる。そして、ピーコックとチヌの共通性を認識した。「ピーコックはチヌだ!」日本のチヌ釣りのやり方をスピーディーにアジャストすればピーコックにハマることが判った。そして前回は全く見えなかった、この湖のメーンベイト“シャッド”をみることができた。大きさは2インチくらいの少し平べったい魚。そして、ガイドが言うには「ピーコックは魚しか食べない。もっと言うとシャッドしか食べない」つまり、シャッドに似たルアーが有効ということ。そうなると日本にある一番小さいサイズのシャッド、たとえばハイカットだとかマイティーペッパーの一番小さいヤツが有効。ワームもできればそのサイズに合わせたらいい。そんなことがわかった。複数回やることで理解が進んだ。

この湖にはピーコックバス以外にレッドデビル、ラージマウスバス、スモールマウスバス、ニードルフィッシなどルアーの対象となりやすいものと、プレコなど対象となりにくい魚も住んでいる。
ピーコックが釣れない時間が続くと、つい手を出したくなるのがレッドデビル。名前は怖いが、日本のギルみたいな位置づけ。外道扱いされる。そして臆病で、大きなルアーをなると逃げるが、小さいルアーのはちょっかいを出してくる。そしてオレンジ色でよく目立つので、ついついてがってしまう。

最初の時に衝撃を受けたシルバーミノーの釣り、倒木の根元近くにできるだけタイトにキャストし、そのままフリーフォールさせ、着底後一気にファーストリトリーブするというもの。その速さに負けず、もの凄い勢いでピーコックが追ってきて食う。もうコーフンしまくりの釣りになります。ただ、単純な釣り方なので、長くは続けにくい。何投かでやめてしまうことが多く、それまでは反応のないまま「いつかはこれで釣りたい」と思い続けていた。5回目にガイドしてもらったとき、朝のライズ打ちで何匹か釣り、ライズも少なくなったので、倒木打ちに変更した。そして、ベイトタックルにシルバーミノーを結び、2本の倒木がクロスした、その一番奥にうまくキャストが決まった。フォールさせ、ファストリトリーブしてくると、シルバーミノーの後ろから猛ダッシュでデカイ真っ赤なピーコックがついてきた!!しかしバイト寸前でひるがえってしまった。嗚呼残念。でもコーフンMAXでした。その後は反応なく、釣れずじまいのままでした。6回目のガイドの時も、あのコーフンが忘れられず倒木に何度かキャストし、フォール中に違和感を感じて巻き合わせると、軽~~~い引きで、釣れてきたのはなんとレッドデビル。ガイドも「この釣り方でレッドデビルは珍しい、初めてかも」との事でした。

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最大魚は、これも5回目の時に釣れた52cm。先ほどのシルバーミノー猛追の後、少し動くと、倒木の回りをウロウロするペアのピーコックを発見。「例年ならもう産卵は終わってるのですが、今年はまだやってるみたい」とガイド。ネストはないようだが、ネストを意識してるみたい。「これを投げて」とガイドに手渡されたのはやや大ぶりなダブルスイッシャー。ややゆっくり目に頭の上を引いてみてとのこと。言われるがまま、少し向こうに投げ、ジャッジャッと引いてくると、デカイ方(オス)が、ルアーの後ろについて、見つめる。「食え!食え!!」と思ったが、そいつは口から水をはき出し、追っ払いにかかる。「何で吐くかな?吸えよ~~!」と思ったが、吐くを繰り返す。「何かミノーっぽいの持ってないですか?」とガイド「ベントミノーなら」とそれを付けて投げる。ちょんと引き少し潜らせると、さっきのオスがまた寄ってきて、今度はパホッと吸い込んだ。すかさず合わせると猛ダッシュで倒木の下に潜り込まれ、やや強引に引くとバレちゃった。嗚呼嗚呼嗚呼!!!せっかくデカイのがOSPに食ってくれたのに~~~しばらくみていると、2匹は逃げずにまたウロウロし始めた。「少し休ませましょう」とガイドが言い、移動。
ちょっと動いた先の水面がザワザワしてる。そこに向けて、その日ボイル打ちで使っていたバスアサシンを投げ、チャチャっと水面近くを引いて来ると、ドバ!!と出た。それを見ていなかったガイドが慌てて「どうしました?」と聞いてきたので、「水面がざわついてたので投げたら出た」と説明。出ただけで乗らなかったのだが・・・「たぶん稚魚を守っていた魚です。デカイトップに一番出やすいタイプ」と説明してくれた。
そうこうしているうちに、また先ほどの倒木スポットに戻り、トップを色々投げてみる。寄ってきては吐き出すを繰り返す。タックルボックスを見ると、シンキングラパラが目に入った。それを投げて魚のいる辺りでフォールさせると、それについて魚も沈んでいき・・・・結局根掛かり。これで場をまたも荒らしてしまった。でも、トップは吐き出すけど、ミノーには反応することがわかった。また移動で場を休める。
3度目、ガイドがこれを使ってと「ハンクルミノー」を手渡す。それを投げてトゥイッチすると、またデカイオスの方が食った。そしてまた、倒木に潜った。ラインは14ポンドと太いので、今回はリールをフリーにして少し走らせた。そしてガイドに言って、船を倒木に近付けてもらい、ラインをかわすと、まだ魚は付いていた。慎重に倒木から魚を離すように誘導し、何とかオープンスペースに出した。すると魚は一気に潜りだした。さっきのファイトでラインが弱っていたらヤバイのでドラグを緩め走らせた。次に魚は一気に上昇し、ジャンプ!!ここでバラしたら立ち直れないので、ビビリながらやりとりをする。何度かの突っ込みとジャンプをしのぎ、やっとキャッチ。やったやったデカイデカイ!!計測すると、52cm初50オーバー。

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ただ、手渡してくれたのが阿修羅だったらなぁとか、どうして自分で持ってこなかったかなぁとか悔やんだりはした。コイツの口には先ほどのベントミノーで付いた傷が残っていた。

ま、それでも一応イイ釣りができた。満足で終了。

薩摩湖と再会

しばらく続けてきた初めてシリーズもネタ切れとなり、またぽちぽちとに書いていきます。昔のことで、デジタル写真も少なく、面白くない記事が続いたことをお詫びいたします。

まずは”初めて釣ったブルーギル”の続編です。

高校の時、九州1周チャレンジの途中に初めてブルーギルを釣ったのが薩摩湖。

それ以降行く機会がなかったのですが、鹿児島に出張があり、少し早く乗り込み、現地の知り合いを無理矢理口説いて、車で薩摩湖に連れて行ってもらいました。実に30年以上ぶり。
長い時を経て、当時、湖畔にあった土産物屋や食堂はなくなっており、湖自体もなんだか小さくなった感じ。ただ、当時より公園的に整備され、周遊道もウッドデッキもできていた。そして思った以上に急深な湖だと感じた。
それでも初めてブルーギルを釣った立木群は健在で、その時の雰囲気のままだった。

タックルも知り合いのものを借り、まずは時計回りに釣っていく。4月初旬、まだ少し寒い感じ。天候は曇り。岸近くでネストを探してみるも、それは見えず、ギルがフラフラしているだけ。ダウンショットにドライブクロー2インチというフィネスな仕掛け。借りたタックルがそういうライトなものだったので、そうした。 駐車場を降り、左に進み、しばらく行くと、やや台地が張り出したようなシャローの続く場所に来た。そこここにウイードらしきものも見える。春ならここでしょ!みたいなところ。まずは知り合いにヒット。30クラス。悔しい!!でも釣れないことはないんだと、やややる気も出た。

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しばらく投げると、ギルっぽいふざけたアタリが続いたので、ワームの色を”モエビ”から“ブラックブルー”に換える。この色はなぜだかバスには有効だが、他の魚はあまり反応しない。そろそろ台地も終わりかという辺りに投げたら、着底と同時くらいにラインがス~~~ッと走った。明らかにギルとは違うアタリ。慎重にスイープに合わせると乗った。サイズはそれほどではないが、初めての薩摩湖バス。取り込むと嬉しい。

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30年隔てたリベンジ。やったやった。連れてきてくれてありがとう!!

初めてのジギング

遠い昔、まだ学生だった頃、山中湖でホプキンスを使って釣ったバスが、メタルジグでのファーストフィッシュではあるが、それは置いておいて、初ジギングのお話。

船に乗って、機会があればジギングができる環境になった。
初めてジグと道具を持ち込んでやったのは、伊豆諸島の南、ジョン万次郎が流れ着いた鳥島の近く。鳥島の周りにはいくつか浅瀬があり、そこで船を流してジギングをしてみた。その頃ジギングとはなんぞやといった状態で、ロッドはGT用の8フィート、リールはペンのスピニング、ジグは200gほどの長めのもの。そんな感じだった。そしてその頃はスローピッチジャークなんて言葉も知らず、ただひたすら早く巻くのがジギングだと思っていた。
鳥島沖の瀬を当てた船が流し始めた。デッキに出て、ジグを落とすも、そこの水深は1000mほど、200mくらい落としたところで、竿をしゃくりながら、早巻きをした。何度かしゃくって、やや疲れた頃、グッと重みが乗り、魚が走り出した。慌てて合わせ、取り込みに入ろうとしたものの、魚が強くなかなか巻けない、ラインは出される一方であった。しれでもやりとりをし、何とか取り込んだのはカンパチ。ジギング初フィッシュとしては上等だった。その日はミズウオがもう1つ釣れて終了。

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感想として、GTロッドをしゃくり続けるのは至難の業で、それなりの竿は必要なことがわかった。

数年経ち、いろいろ知識も増え、タックルも換えた。ある航海の途中、須崎の沖70mほどのラインで船を流したことがあった。
早速デッキでジギング開始。ジグはディープライナースロースキップ卒業生オススメのジグで、ロッド&リールもジギング用だ。
ジグを底まで落とし、クイックイッと引いてはス~~~ッと落とすを何度か繰り返し、やや巻き気味に上げてきて、またス~~~ッと落としに入ったところでラインが落ちる以上にフケた。と同時に、ガツッという強い引きが来た。反射的に合わせると、グググッと強い引きが来た。やや上で食わせたので、ドラグを少し緩め、切られないようにする。ラインはPE2号リーダーは8号だけど、これがどれ位のものかも解らなかった。強い引きに何度もドラグを出されながら、それでもだいぶ弱って浮いてきた。見ると大きな鯛だった。それにしてもデカイ。網で掬ってもらって、何とかキャッチ。計ると82cm。やったやた初マダイで大ダイだ!!知ってはいたが、「鯛がジグで釣れるとは」という正直な感想。たぶん良いハエの上を流れ、良いタイミングでジグを落としたのだろう。ラッキーが重なったとは言え、いきなり良い魚を釣ってしまった

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初めて海外で釣った魚

新婚旅行でカナダに行ったとき、どうしてもどうしてもやりたくて、嫁を説き伏せてサーモンフィッシングに行った。バンクーバーから船を出して、ニシンを餌に底を釣るやり方だった。バンクーバーと言えば、三平君がサーモンダービーに出た場所にも近く、良い釣りができるはずだったが・・・・「昨日まではそこそこ釣れていたのですが・・・」というガイドの毎度のうまい言い逃れで終わってしまった。

何年か経ち、出張でハワイに行く機会があった。決まってからはハワイでの釣りをいろいろ調べた。オフショアではジギングやトローリングができる、シャークフィッシングというのもある。中でも気になったのはピーコックバスが釣れるという。ピーコックバスといえば、アマゾンの奥地に行かないと釣れないモノだと思っていたのだが、ハワイで釣れるならやってみたいと思った。早速サイトを見つけ、ガイドがあるのも知った。サイトでは、レイクウイルソンというところにいて、ポイント名もあった。使うルアーは、ミノーやシャッド、トップウォーター、スラッゴーのようなワーム、そして面白いのはジョンソンシルバーミノーに代表されるウイードレススプーン。

早速ガイドとコンタクトをとり、予約を入れた。今回は飛行機だし、仕事で行くので、荷物の制限もあり、ガイドからタックルを借りることとし、ルアーだけ少量持って行った。

関空から飛行機でホノルル空港に到着し、その日は1日仕事。次の日は午後からの仕事なので、午前中にガイドしてもらうことになった。ホテルの下で待っていると、ボートを引いたピックアップが来た。

ガイドは茅野さんといい、日本人で、もう10年近くピーコックのガイドをしている。はじめはハワイで旅行ガイドをしていた。とのことであった。

車の中で話をしていると、わりとすぐに現地近くまで行き、給油しながら、ドライブインでランチを購入し、スロープに向かった。さすがアメリカというべきか、大して大きな湖ではないが、スロープの上にはちゃんと駐車場と、ピクニックテーブルがあり、スロープもしっかりしたモノであった。

ただ、水は・・・・数日前にストームが通過したようで、周りはパイナップル畑で赤土むき出しというので、カフェオレ色をしていた。ガイドによると「あまり良い状況ではない。濁りより水温低下が良くない」とのことであった。

スロープを出て、船外機でわりとゆっくりとリザーバーを下る。初めての場所であり、そこここに良さげな所がある。ガイドが居なければ一々打っていただろう。5分ほど走るとやや開けたところにで、そこで船外機が止まり、エレキを降ろした。ガイドは渋い表情のまま「ライズがないね」と。「普通はライズや、良ければボイルのようになるが、今日はない。」「カバーを打っていきましょう。」

それから何度かこのガイドと一緒に釣りをすることになるが、普通は、朝のうちはそこここでライズがあり、状況が良ければ鰹のなぶらのようなボイルになることもある。ボイルは一瞬で終わることもあれば30分も続くこともある。それからすると今日は本当によろしくない状態だったと言える。

湖岸には倒木があちこちに入り、ブッシュもある。また、陸生植物も冠水している。バス釣りのようにショアラインのカバーを打っていく釣りになる。ルアーは、ガイドのすすめもあり、スラッゴー4インチ。カラーは白。スキッピンも混ぜながらきわどく攻める。ふと見ると、前方の倒木近くでライズが出た。「魚だ!」とガイドに告げ、そこに投げ、ピピッと引いてくると、ルアーの後方で水が盛り上がった。「止めないで早く引いて!」ガイドの指示が出た。早めに引くとルアーは水面近くに来て、その後ろで水面が割れたものの、のらず「まだまだ、もっとはやく!といわれ、ルアーが水面に飛び出るくらい引いてくると、次にガツッと乗った。「合わせるんですか?」と聞くと、「そのまま巻いて」と言われ、リールを巻く。すると魚はバスよりも鋭い引きで、潜ったり、ジャンプしたりしたが、サイズがあまり大きくないので、寄せることができた。キャッチに成功したのは30クラスのピーコックバス。初めて釣った感動もあり、嬉しかった。

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その時の魚じゃないけど一応写真を・・・

その後もブッシュ打ちは続き、途中、ガイドが投げたウイードレススプーンに50が食った。そのデカイののファイトを見て、あれ釣りて~~~!!と思った。見せてもらうと、ウイードガードをゴム管でチューンしていた。(もちろん帰国してすぐまねさせてもらった。)それからしばらく、借りて投げさせてもらったが、反応はなかった。

その日は、もう1本スラッゴーで追加し、終了。

アマゾンでしか釣れない魚をハワイで気軽に釣ることができた。小さいながら引きも楽しかった。ガイド料はちょっと高いけど、アマゾンに行くことを考えれば安い安い。

以降、ハワイに行くような仕事になり、機会があればガイドをお願いしている。

初めてビッグベイトで釣ったこと(プチ自慢も含めて)

香川の府中湖で毎年オカッパリの大会がある。並木さんがゲストに来るということで、参加した。ルアーで釣ったバス1匹の長寸を競う大会で、毎年300人以上が参加する、メジャーなオカッパリ大会
何カ所かスポットを回った後にとある場所に入ると、でっかいルアーをドッポンドッポンと放っている人に会った。「あんなので釣れるわけないじゃん!ポイント潰しだ!!」と思い移動した。ルアーは今思えばモンスタージャックだった。
結局その日はあまりイイ魚が釣れず、本部に戻った。その頃はまだ例の外来種法のない時代で、釣れたバスのうちめぼしいのは本部に設置された風呂桶に入れられていた。その中を覗くとひときはデカい、ラグビーボールのような体型の55は下らないバスがいた。
いよいよ表彰式、優勝はそのバスだった。そしてそれを釣ったのが、先ほどでっかいルアーを放っていた人。「あれで釣ったんだ。スゲェ!!」
帰宅してからルアーについて調べてみた。すると結構いろいろな記事が出ていた。その頃は、でっかいルアーを“スイムベイト”と呼ぶページが多かった。スイムベイトにはワーム素材のいわゆるタロン系と、木やプラスティック系のいわゆるモンスタージャック系とがある。また、マニアックなところではクレイジークロウラーのような羽系のデカイのもあるらしかった。そんなことがすぐ検索できた。
そして調べてみると、特にハード系のビッグベイトは6000円とか7000円とか高価であった。
それなら作っちゃえ!ってことで、いろいろなページを見て、イメージを作り、気の向くまま削ってみた。

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それに下地コーティングだけした状態で、とにかく試してみたくて、近くの波介川へ向かった。なぜだかその日は最上流部に入った。自分は左岸。対岸にはなにやらビッグベイトを投げてるっぽい人もいた。第1投。ドパ~ンと投げて、ヒョロヒョロ(3連ボディにしていた)と引いてきた。「イイ動きじゃん、1発目にしては」と1人おつに入っていた。そしてほぼ足下まで来たそれに、ドバ!と出た。いきなり強い引きながら、タックルは十分強かったので、有無をいわせず引っこ抜いた。魚は足下でビトビト跳ねてる。すぐに駆け寄り掴んだ。デカイ!! 計ると51cmあった。第1投でいきなり51とは。ビッグベイトの威力を思い知った。

対岸で投げていた人は、後日、香川のビッグベイターとして有名な人とわかり、彼のページで交流させてもらった。

それから暫くはそのビッグベイトばかりを塗装もせずに使い続け、良いバスをバンバン釣った。ホントビックリするくらいナイスサイズが出た。そして使うに従い、徐々に壊れはじめ、ボディもえぐれたりした。それでもそれは魚を誘い続けた。

ビッグベイトはその頃全国でブームとなり各地でデカイ魚を誘ったようだ。自分も中古で買ったり、作ったりでビッグベイトも増えていった。

その年だけで、55超えが2本、50超えは数知れず、40後半になると毎回のように釣りまくった。

そして、徐々に羽系に進んでいった。初めて羽系ビッグベイトを見たときは、絶対これじゃ釣れないと思ったモノだが、「そういえば府中湖で、モンジャで釣ってたのを見たときも同じ思いがした」と考え、ある夕暮れ、普段はスレスレでなかなか釣れない流れ込みにハイフィンクリーパーを投げ、流れを横切るようにゆっくり引いてきたら、いきなり下から引ったくられた。取り込むと50cm。これで釣れる自信もつき、使う機会も増えていった。と共に、魚はどんどん釣れるようになった。ただ、持っているのはハイフィンクリーパー1つのみ、しかも、毎回のように羽のチューンをしていたら、羽が弱って、今にも折れそうになってしまった。新しいのを買うのも高いし、作ってみようと試してみた。ボディをジョイントにしてその部分に羽を付けた。カラーはオールドな感じにしたくて、フロッグスケールに塗ってみた。フロッグとあるが、できた感じは蛇のイメージがした。

この自作羽系、できあがって次の日、波介川でテストしてみると、1投目から結果が出た。47cm。よく食ったなという大きさ(ルアーがデカイので47では小さすぎる)だった。

ほぼ同時期に、ロッド&リール誌で、“ビッグベイト選手権”なる企画があった。自作のビッグベイトを競うという内容で、同誌で3月にわたって開催された。審査委員長は当時ビッグベイト番長と呼ばれていた菊本氏。まずは写真を添えた書類審査があり、応募した。その頃高知でビッグベイト仲間になっていたmボーさんも応募していた。数日後、編集部から電話があり、「あのベイト、書類審査通過です。よろしければ実物をお送りください」といわれた。しかし、実はその前日、イイ感じに雨が降り、荒れた中で自作羽モノで釣っていたらロストし待っていたのだ。嗚呼なんということか。そう伝えると「なんとかもう一度作れないですか?編集部の中でも期待していますので」「はいわかりました、作ってみますが、少し時間をください」とのことで、急いで作り、その時は下地に効果が早く、数回のディッピングで必要な強度の出る下地材(来画製)を使っていたので3日で完成させた。そしてまだ少しシンナー臭のするそれを編集部に送った。名前も必要というので、デカイ+羽モノということで、“メガクローラー”と名付けた。

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この選手権は、誌上でレビューがあり、それを見た読者からの投票と、菊さんの評価によって決まる。

寄せられた作品を見ると、多くがモンスタージャックのコピー的であった。その中で、高知県勢2人のモノはひとつは羽モノであり、もう一つは超巨大バズベイトであった。キワモノ2作ではあったが、菊さんからの評価は上々で、メガクローラーは菊さんから一番使ってみたいといわれ、mぼーさんのデカバズは“あほ度”で満点を取るという快挙を演じた。しかし、一般受けはイマイチで、上位入賞とはならなかった。それでもメガクローラーは「菊さん賞」を受賞し、たくさんの賞品をいただいた。そして何より嬉しかった。

 

並木さんと初めて会ったこと

創刊よりずっと愛読しているBASSER誌。その誌上で「バスプロ並木の出張講習」という企画があり、クラブで応募してみた。数日後編集部から採用の連絡があり、思ってもみなかったことが実現した。それからはクラブで並木さんの歓迎内容を検討し、当日に臨んだ。
7月某日、高知空港に並木さんの乗った便が到着した。クラブ総出で、横断幕を用意して今か今かと出てくるのを待っていた。到着ロビーに人があふれ、やがて引けていった。ついにはぱらぱらとなったモノの、並木さんは出てこなかった。ややって、雑誌等で見かけた姿が見えた。聞けば、前日は徹夜で原稿を書いていたらしい。便乗してすぐに気を失い、気がついたのは乗務員に起こされたときだった。とのことで、最後に降りてきた。
それでも横断幕をみて「嬉しい」と言ってくれ、緊張気味のクラブ員に、1人1人丁寧に言葉を掛け、握手をしてくれた。

並木さん・・・敢えて”さん付け”だが、実は大学の3つ下、つまり自分が4年の時の1年であり、上下関係のキツかった母校では、天皇様と奴隷くらいの差があった関係。それでも、この初めての出会いから、その真摯な態度、プロ意識に感化され、尊敬してしまったので、さん付けをするようにした。

今日の予定はこれからボートでキス釣りを楽しんでもらい、夕方からは宴会となっていた。それだけキツイ日程をこなしているなら、もっとゆっくりしてもらったら良かったと後で思いはした。
空港から釣り場に向かう途中、本番の講習場所である十市の池があるので、ちょっと寄り道をした。実際に一目見てもらおうとお思ったのだが、事前には「水草の多いの池」という情報だけを伝えていた。実際畔に立ったときの並木さんと編集部の反応は、「・・・」だった。あとで聞くと、「こんなに凄いベジテーションとは」と思っていたようだ。

そこから半時間ほどで出船し、キス釣りが始まった。この年のキスは絶好調で、それこそ入れ食いになり、チャリコやイイダコも釣れ、楽しいモノになった。

釣りの後はもう一度少し移動し夜の宴会に突入。飛び入りで並木サンファンも来て、結構遅くまで盛り上がってしまった。

翌日、やや寝坊気味で十市の池近くの集合場所に行くと、すでに皆集まっていた。

池の北側から、まずは実釣開始。並木さんは釣りをしているのを見ながらアドバイスをくれる。

それでもなかなか魚は釣れない。梅雨が明けてしまって朝からの猛暑で、魚も口を使ってくれない。そんな中、チビバス1本とライギョが1本だけであった。そうしていると、なにやら並木さんと編集部が慌ただしい、自分も呼ばれ「これから住吉池ですか?隣の池を見に行ってきます。これ僕の携帯です。何かあったら連絡ください」といわれ、編集の携帯を渡された。その足で編集と並木さんは移動。自分たちは残されて十市の池で釣り続行も、魚は釣れなかった。1時間ほどして、並木さんは十市に戻り、皆を集めこう言った。「この1時間、僕は隣の池を見てきました。そしてあっちの方が良いと結論を出しました。ここで提案ですが、あっちの池に移動して釣りを続けるのはどうですか?」と言われ、反対する理由もなく、皆で住吉池に移動。皆が集合したところで、クラブ釣り大会の開始となった。この企画が実現したときに「並木杯釣り大会をしたい」と編集部に掛け合っていたのだ。並木さんも何か賞品を提供してくれるとのこと、皆気合いが入る。

程なくして、次々と魚が釣れだした。並木さんにも来た。そして1時間経ち、釣り大会は終了した。その後、皆を集めてセミナーが始まった。「皆さん、こちらに移動してそこそこ釣れたようですね。良かった。はじめ十市の池を見て、危機感を感じたんです。あの池はベジテーションが豊富で、大物も居ると聞いていたのですが、梅雨の明けた今の時期、良い魚は沖のブレイクにいる。ウイードの中にいるかもしれないが、それが大きすぎてかえって魚が散る。実際釣れたのも、ブレイクが一番岸に寄ったところだ。この池では満足のいく釣りは難しいと思っていたら、隣にもう一つ池があると聞いた。それで行ってみた。底をテキサスで探ると、ハードボトムがあった。底が堅いと言うことは、流れがあり、ブレイクもある。しかもそれが届く範囲に。それにホテイのシェードが絡めば釣れるのではと思ったわけです。案の定、こちらに移ってからポツポツと釣れ出した。ホッとしました。」この見切りの速さ、判断の的確さに一同ビックリした。結局優勝は澤谷になり、並木さんからサイン入りリールが贈られた。

そしてこの様子はBASSER誌に6ページにわたって掲載された。

並木さんと初めてお会いして、バスプロという仕事の難しさや、厳しさを学んだ。そしてその人柄に惚れ込んでしまった。以降、いろいろな場面で交流が続いている。