アカメ随筆その6 世界の・・・とアカメ

第6弾 オカッパリ不調につき、ガイド船での釣行。

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お盆の家族旅行中、高速道路を運転してたら切符を切られて、過去の免停もあり、中期の免停となってしまった。
9月に入った。免停の日が近づいてきた。前回の免停は実質1日で終わったので実害と言うほどのことはなかった。1日面倒な講習を受け、その行き帰りは車に乗れない、それだけだった。今回は1ヶ月は確実に車に乗れない。その間通勤は自転車でしなければならない。憂鬱だが、「ダイエット強化月間」と銘打って楽しむしかないと思えるようになった。

ちょうど同じ頃、ある雑誌の企画でご一緒してから親しくしてもらっており、ずっと世話になって、色々と交流のあるバス業界では“世界の”と冠のつくバスプロNさんが高知 にテレビのロケで入っていた。県西部の川でバス釣りの撮影のあと、プライベートで浦戸 湾でアカメ釣りをしたいという。一も二もなく協力することにしたが、さて、自分は免停 だし・・・そうだ、Nプロに運転してもらえばいいや。ってことで、色々事前準備を始 めた。私としても是非ゼヒ釣ってもらいたい。しかし、昨年ならあそこに行って1晩ルアー投げてれば少なくともアタリはあるハズという絶対ポイントがあったわけだが、今年は見失ってしまっている。全く見当も付かない状態だ。もちろん、それでもランガンすればもしかしたらあたる可能性のある場所はいくつか押さえてはあるが、確率は低すぎる。
あれこれ策を練っているところに、ひょんな事から浦戸湾にアカメのガイド船がいることがわかった。HPを見ると、知った顔が出ているではないか。いつもお世話になっているマリーナのTさんだ。早速Tさんに電話して様子を聞いてみた。Tさんは「R丸のガイドなら一番信頼できますよ。自分から連絡入れてみます。その方が安くなるかもしれないし、もしかしたらNプロということでタダになるかも!」おっと、渡りに船だ!
Nプロにボートでも良いか、オカッパリにこだわっていないかを確認するとこだわりはないということなので、今回はRさんにお世話になることにした。
ロケには私の船も取材艇として協力することになった。免停とロケのタイミングが上手くいって、ロケ後に免停となれば良かったのだが、皮肉なことに、免停講習が2日あるうちの2日目にNプロの来高が決まり、その日を入れて3日間、県西部でロケ、ロケ後高知市内に来てアカメ釣りとなった。
このロケのメーンボートは県西部の熱烈な並木ファンであるKさんのフルNプロ仕様アルミ艇を使うことになっている。Kさんと連絡を取り合い、私の免許が生きているうちに私の船を県西部まで持って行き、取材に使ってもらうことにした。取材後は免停が解けるまでどこかに保管してもらい取りに行くことにした。
免停前最後の日曜日、船を届けるのと最後のドライブを兼ねて県西部、土佐清水まで娘と行った。この子は無類の水族館好きで「どこ行く?」と聞くと「桂浜水族館!」とか「トンボ公園!!(の中の水族館)」とか答える。清水まで行くのだから足摺海洋館もリニューアルしたことだし、そこに行ってみることにした。朝6時、こちらを発ち西に向かった。
「はぁ・・・これが最後のロングドライブかぁ・・・」と、妙にセンチメンタルになり、味わいながら車を走らせた。須崎、久礼、久礼坂、窪川、佐賀と国道56号線を走り大方の途中で左に折れた。距離的には国道の方が近いが、この道が何となく好きなのと、途中にバスの釣れる池がある。上手くいけば行き掛けの駄賃だ。
が、この日は何もなく、四万十川を渡り、足摺サニーロードを清水に向けて走った。四万十川、中村までは何度も来るが、その先はなかなか行かない。中村の野鳥公園より先のサニーロードは久しぶりだった。気分よく走っていると、以布利の新しいトンネルが抜けていた。そういえばKさんも「以布利のトンネルが抜けて早くなった」と言っていた。
土佐清水市の中心街に入ったところでKさんに電話を入れ、船を置くところまで案内してもらった。少し立ち話をしたが、今回Nプロは取材のことは飛んでしまって、アカメのことで頭がいっぱいのようだった。
取材は凄い釣果が出たようで、後日スカパーで放映された。
取材後、Nプロはスタッフと一緒に我が家まで来て、Nプロだけ残った。今回の運転手としてSちゃんにお願いしておいた。3人で、ウチで先ずは作戦会議、というか雑談。話の中心はアカメのこと。19時出船なので、少し時間がある。ルアーのフックを替えたり、ラインを巻き代えたりした。時間になったので、Sちゃんの車でマリーナまで行った。マリーナにはR丸の船長と、今回はもう1艇出してもらうのでその船長さんがいた。軽く打ち合わせをして2艇はそれぞれ出航した。浦戸湾奥のマリーナから
細い運河を通り、川を登っていく。今回はNプロとSちゃんがR丸に、私がもう1艇に乗った。私の船はまっすぐ上流を目指し、R丸は途中で左に進路を変えた。私の乗った船が着いたのは、大きな橋の下。車用の橋と歩行者用の小さな橋が並行していて、橋脚がたくさんある。船長は潮上に錨を打って、ちょうど良い距離までロープを伸ばしていった。「ここにはアカメが付いています。ディープダイバーかシンキングプラグで3mくらいを探って下さい。アカメはこのオレンジのライトが好きなようです。明かりと影の境目なんかも狙い目ですが、まずは橋脚近くに投げてください。」とガイドが言っ
た。この船には船長とガイドと私が乗っている。今回のタックルは船ということ、ディープクランク中心ということで、ベイトタックルにグラスの巻物ロッドの強い奴にした。
第1投、橋脚を目掛けたが、暗くて距離感がつかめずショート。ルアーはBlitzMax-DR。巻き取って、もう一度キャスト。今度はイイところに入った。巻き始めて少し経つと、グッと重みが来た。いつものグラファイトロッドにPEラインとは違うので、アカメの”コン”というバイトではなかったが、食った瞬間走られ、ロッドは根元まで曲がった。しばらくするとジャンプした。アカメだった。船長が「ファーストアカメですか?」と聞いてきた。「いえ、何匹か釣ってます」と答えた。あとで聞くと船長さんはまだアカメを釣ったことがないらしい。突っ込み、飛ぶ魚を何度かあやし、取り込んだ。55cm位のアカメだった。

090912_1917~0001
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090912_1913~0001
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写真を撮って、早速、別れていったNプロに電話した。「釣っちゃいましたよ、アカメ!」「え~~マジですか?!こっちは魚が見えてるけど喰わないです。今からそちらに向かいます」とのとだった。船長さんは近く釣具屋さんを出店する予定のようで、「この写真、店に飾ってもいいですか?」ときかれ、「もちろんお願いします」と答えた。
20分くらい経ってNプロ号が来た。「もうリリースしちゃったんですか?」と聞かれた。生アカメを見たかったようだ。その後、1本向こうの橋脚に入る。私もキャストを続けるが当たりなく、ルアーを換えた。1投目、グっと当たりが来た。ガスっと合わせると急に軽くなった。回収すると、バルサ製ディープクランクのリップ部分だけが返ってきた。残念!!少し強度が足りなかったか・・・
その後元に戻してキャストするが当たりは出ない。潮が変わりボートのポジションも変えて狙うがヒットしない。今回はR丸も「釣れるまで帰らない」という決意で出ているので、とにかくNプロが釣るまでは帰らない。日が変わり、深夜2時ごろ、いきなりグッと当たりが来た。その時は半分意識なく、朦朧とした状態で巻いていた。で、いきなり来たが、うまく反応できた。釣れたのは同じくらいのサイズのアカメ。

090913_0239~0001
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できればNプロにあたって欲しかったが、釣れて文句を言うものでもない。
4時過ぎ、それまで近いところで釣りしていたNプロ号はもう1本向こうの橋脚に入った。そこは先程潮が引いたときに見たら大きなブロックが入っているところだった。しばらくしてSちゃんの竿が大きくしなった。船を動かして対応している。10分ほどのファイトの後、かなりデカそうな魚が上がった。船が近寄ってきて見せてくれたら、デカアカメだった。測ると91cm。Sちゃんのファーストアカメだ。これで負けず嫌いのNプロが燃えないはずはない。そこからはNプロのための時間となった。そろそろ空が明るくなり始めた頃、Nプロの竿に来た。かなり走られているので、船を回すためのポジションについた。が、なかなかエンジンが掛からない。やっとエンジンが掛かったが、魚は橋脚を回り込んでしまっていた。ラインをなるべく擦らさないように、船を回していく。ふとした拍子に竿がしなりを失った。バレてしまった。辺りはもう完全に明けていた。Nプロももうこれ以上粘ろうとは言わず、帰港となった。マリーナについてからなにやらNプロはあちこちに電話を入れ始めた。「釣るまで帰んねぇ!もう1晩
スケジュール空けれたらやります!!」そうとう悔しかったようだ。でも結局スケジュールの都合がつかずに夕方の飛行機で帰ることに。
この年全くアカメに触れていなかったのに、1晩で2本釣ることができた。Sちゃんにはやられたけど楽しく貴重な経験をさせてもらった。考えてみれば、アカメのガイドが生活できるほど浦戸湾にはアカメが住み、そこそこ釣れるってことだ。
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ぜひともNプロに釣ってもらいたかったなぁ・・・

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